収録曲紹介

Brown Earth
曲調からも歌の内容からもマーザーアースを感じさせてくれる曲。本当に夜明けのような印象の導入部からアコースティックギターが印象的なエンディング、途中に入るコーラスもすべてが白く輝く朝日に照らされているような、さわやかな味わいがある。

When I Was a Freeport and You Were the Main Drag
軽いシャッフルビートに乗った彼女のヴォーカルが、「New York...」の頃とは違い、どこか陽気な雰囲気すらある。短いながら彼女独特のポップセンス溢れる傑作。

Blackpatch
緩やかに起伏の付いたメロディに、彼女にしてはいつもより押さえ気味のヴォーカルライン・・おだやかな雰囲気はバックのマッスルショールズミュージシャンの演奏にも表れている。ポップなメロディも光る良い曲です。

Been on a Train
アルバム「Christmas and..」の中では一番ハードな曲。「New York...」の中に入っていても違和感がないような気もするが、すこし肩の力が抜けているようにも感じる。

Up on the Roof
これは彼女のオリジナルではなく、ご存知ゴフィン＆キング作の曲で。彼女はこの時期の自らの心象を、このゴフィン＆キング作のおだやかな曲を通して表現しているのだろうか。すばらしいカバーです。

Upstairs by a Chinese Lamp
静かな、そしてエキゾチックなイントロから入るこの曲は、穏やかながらアルバム中ではとても目立つ曲。５分30秒ある曲だが、歌が入っているのは最初の３分の２位で、あとは微妙に雰囲気のある演奏が続く。ここでのチャック・レイニーのベースは人間の声以上に物を言っている。

Map to the Treasure
ジャズっぽい雰囲気も漂う8分以上もある大作である。ほとんど彼女のピアノのみのバッキングだが、ここでも途中で曲調が変化を見せるところがあり、それほど長さを感じさせない。

Beads of Sweat
ある意味アルバム「Christmas and..」のの中で最大の聴きどころ。リズム隊を真ん中に、左にコーネル・デュプリーのファンキーなバッキングギター、右からはデュアン・オールマンのソリッドなリードギター。チャック・レイニーのベースも大活躍。そんな演奏をバックにローラのヴォーカルも他の曲に比べ、力がこもっているように感じる。

Christmas In My Soul
クリスマスソングというにはあまりに重く、悲痛な印象も受ける作品。目の前の現実社会を見つめれば、それが当時の彼女の置かれた真実の場所であり、あえて飾り立てないストレートな表現がいさぎよく感じる。